鳴滝
芭蕉の句碑と鳴滝
貞享2年2月、芭蕉は京に入り、鳴滝の三井秋風の山荘に遊んだ。 秋風は豪商三井の一族で、この地に「花林園」と名づけ、文人墨客を招いていた。
「梅白し昨日や鶴を盗まれし」 桃青
桃青は芭蕉の記号である。
この句は芭蕉の挨拶の句で、中国の隠士 林和靖が梅を愛し鶴を飼って友としたことになぞらえ、林和靖気取りの秋風に 「梅は美しいが、鶴がいないのは昨日盗まれたのですか」と風狂の挨拶句で、芭蕉の学の深さも思われる句である。
芭蕉の句碑は、全国に千余百を数えるが、ほとんどが後世に他の俳人の筆で、真蹟を刻むものは30ほどである。また何のゆかりのない地に立てられたものも多い。
梅白しの句は、この地で芭蕉が吟じた自筆の懐紙を引き伸ばしたものであり、貞享初期の芭蕉の書風がよく伺われており、その点においてもその価値は非常に高いものであります。
句碑は、わび寂のこころにのっとり、しずかな姿をしております。いつの日からか、対岸の祠の不動明王にも昔人の祈りの心が伝わって来る思いです。
御室周辺
金閣寺(足利義光が築いた山荘・北山殿を寺にした)
竜安寺(枯山水の石庭で名高い竜安寺)
仁和寺(御室御所の名を持つ。御室桜で有名)
退蔵院(狩野元信作の枯山水庭園を持つ名園)
等持院(足利尊氏が夢窓礎石を迎えて開山。足利家の菩提寺)
妙心寺(臨済宗・妙心寺派の本山)
桂春院(方丈の襖絵は狩野山雪の水墨画といわれる)
京の花名所
北野天満宮
全国天満宮の総本山(京都市上京区)
京随一の梅の名所
菅原道真公を祭神とし、学問の神様としても有名である。
梅園公開は、2月上旬~3月末
(道真公の命日である2月25日には梅花祭が催される)
六孫王神社
京都市南区壬生
隠れた桜の名所(4月)
薄黄緑色の花を咲かせる珍しい桜。
黄桜の名で知られている。
清和天皇の孫、源経基薨去の後、応和3年(963)社殿を建立。
源経基は清和源氏の始祖。
龍安寺
世界文化遺産
(京都市右京区)
龍安寺といえば石庭
石庭で有名ですが、鏡容池を中心にした池泉庭園の文目(あやめ)も美しく、おすすめです。
徳大寺家の別荘としてつくられたもので、貴族の庭らしい優雅な雰囲気を伝えています。
文目の見頃:5月~6月
正覚寺 「紫式部」
京都市右京区嵯峨野にある浄土宗の寺院。
秋の宝石 とも賞される紫式部。
初夏に花を咲かせ、秋に実をつける。
秋の趣を深めるようなひっそりとした姿が人気を集めている。